吠え方のルールー13章
私は滅多に吠えない。
お父さんとお母さんは、声が出ないんじゃないかと心配していた。
最初に吠えた時の二人の顔を今でも忘れられない。
驚いて目が点になっていた。
えっ、まずかった?
、と思わずスマなそうな顔をしてしまった。
これからはビックリさせないように、
あまり吠えないようにしようとこの時に決めた。
吠え方は自分なりに研究している。
気を惹きたい時吠える軽めのワンと、
遠くのお友達と会話する時のワンワンワンと、
本気で怒る時のウッ〜だ。
郵便配達のお兄ちゃんのバイクが門の前を通り過ぎた時、
全力で唸る。
あれは最後まで好きになれなかった。
つづく