引越しー32章
オーストラリアの電気製品は日本では使えない。
家具もベットも狭い日本の家には合わない。
だから処分するのに、
ガレージセールをしたり、お友達に譲ったりと大忙しだ。
お母さんはご本をいっぱい持っていたけど、
大切な本だから捨てるには忍びなく、
お友達に引き取ってもらったりした。
お父さんは、お気に入りの自転車だけは持っていくと言った。
お母さんは、食器戸棚だけは手放したくなかったみたいだ。
そんなこんなで結局、
ダンボールが85個になってしまった。
荷物が運び出された後のお部屋は、
ガラぁ〜んと寒々しい。
お父さんは引越し準備に一度戻ったけど、
すぐにまた日本に行ってしまった。
何もないお部屋でお母さんと二人だけで、
最後のオーストラリアでの数日間を過ごした。
荷物の次は私の番だ!
つづく