トワ物語

バーニーズマウンテンドックの生涯

二回目の一人旅ー33章

f:id:christinetowa:20161228072108j:plain

 

私のフライトスケジュールがやっと決まった。

 

朝のピックアップの予定が、

フライトの都合で夜中の3時に変更になった。

 

お母さんは寝過ごさないように、

心配で3時まで寝ないでいた。

 

「トワちゃん、起きて」

爆睡中の私に優しく声をかけてくれた。

 

なんでこんな夜中に起こされるの?

お母さんの不安そうな顔を見て、

何かが起きるんだと思った。

 

リードを付けられた。

訳も分からずお外に連れ出された。

 

門の前に知らないお兄ちゃんがいた。

6月末のゴールドコーストはもう冬だ。

息が白い。

 

この車に乗ってしまったら、

お母さんとお別れのような気がした。

 

「無理やり乗せないで待ちましょう」

 

お母さんとお兄ちゃんは、

真っ暗で寒いお外でじっと立ち止まっている。

 

「トワちゃん、これに乗ったらお父さんに会えるよ」

 

お母さんは頭をもたげて大きなゲージに入った。

ゲージの中でかがみながら私においでおいでをした。

私は恐る恐るゲージの中に入った。

ゲージにはドアがもう一つあった。

お母さんは反対のドアからお尻を向けて出て行ってしまった。

 

一人ゲージに取り残された私は、

驚いたけどお母さんの安心した顔を見て、

お母さんとはこれでさよならじゃないと分かった。

そして、

お父さんに会うまではいい子でいようと決めた。

 

f:id:christinetowa:20161228072155j:plain

つづく