不動産投資の授業料は高かったー29章
お父さんとお母さんは、
オーストラリアで不動産を何回も買ったり売ったりしている。
サーフィンが好きだから、
海から道路一つ入ったユニットを買った。
そろそろ売り時と思って売却したら、
その三年後に5倍になって、とても悔しい思いをした。
ゴルフ場の中のお家を買ったけど、
ゴルフコースビューの家があっちにもこっちにも建って、
希少物件じゃなくなって損して売り払った。
いっぱいお金を使ってお勉強したらしい。
不動産はできるだけ長く持ち続ける。
買う時は、難癖つけてでも相場よりも安く買う。
売る時は、綺麗にして見栄え良くして高く売る。
そして、
オージーが好きそうなロケーションを選ぶ!
便利なところは、車がない低所得者層や高齢者が住むエリア。
駅や学校や病院の近くは、騒然としていてお金持ちには人気がない。
道路に面した家は、行き交う車がうるさくて嫌われる。
公園に隣接している物件は、セキュリティー的に危ない。
やっぱりビーチフロントとかウォーターフロントが
投資物件として間違いない。
、ということで
清水の舞台から飛び降りるつもりでこの家を買った。
お父さんもお母さんも
まさか10年後にここまで値上がりするとは思ってもいなかった。
ワン!!
つづく
どこに住む?ー28章
お父さんとお母さんは、
一度も海から離れた場所に住んだことがない。
日本は周りを海に囲まれた国らしいから、
この希望は問題なさそうだ。
思いっきり走れる広いお庭があって、
ワンワン吠えても近所迷惑にならない
ポツンと建っているようなお家がイイなぁ〜。
お父さんがインスペクションしたお家は、
帯に短し襷に長しで、全て空振りだったみたいだ。
お母さんが暮れも押し迫って日本に行った。
造りもしっかりしていて、
希望のロケーションで、
とても気に入った家があったみたいだ。
とりあえず手付金を払って帰国した。
この先、猛烈な値段交渉に対峙する羽目になるとは、
オーナーさんは、この時点では全く想像していなかっただろう。
つづく
大プロジェクト始動ー27章
日本というところは随分と遠い国で、
ココと季節が逆らしい。
フサフサの冬毛になった時に連れて行かれても
すぐに毛なんて抜けるものじゃない。
ヤバい!!
そんな私の不安をよそに、
お母さんがお仕事の手仕舞いに取り掛かりだした。
いよいよ日本への引越しが本格的に稼働し始めたみたいだ。
お父さんは日本の不動産をリストアップして、
出張の度にインスペクションをしてくるようになった。
そしてお家のリノベーションが始まった。
お母さんはペンキを塗り始めた。
お父さんは芝生の張り替えをした。
二人が忙しくしている時は、
邪魔しないようにいい子にしている。
つづく