トワ物語

バーニーズマウンテンドックの生涯

誰のお家?ー35章

空港を出発して30分くらいたったのかなぁ〜

田んぼの中の一軒のお家に着いた。

ココはどこなんだろう?

 

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知らないお家ではいい子でいるように言われている。

だからお父さんとお友達のお話が終わるまで、

退屈だけどジッといい子にしていた。

 

お父さんがお外に出た。

やっとお母さんが待っているお家に帰れるんだ。

 

置いてけぼりはもうイヤだ。

車の横に一目散!

 

「トワ、お前は乗らないよ」

、とお父さんがニコニコしながら言った。

「どうして?」

、とお父さんのお顔を覗き見た。

「トワ、ここが新しいお家だよ」

 

その夜は、

新しいお家のお庭で、

お父さんと楽しくはしゃいでいる夢を見ながら、

安心して眠りについた。

 

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つづく

快適な空の旅ー34章

シドニーで一泊して日本に向かった。

一人のお泊まりは初めてだ。

 

お世話してくれたお姉さんが、朝お散歩に連れて行ってくれた。

いい子にしてようと決めたので、嫌いなお散歩もお付き合いした。

 

空港でゲージに入る時に、

「大丈夫、大丈夫、心配しないで」

、とお姉さんが優しく声をかけてくれた。

 

ライオンが入るくらいに大きなゲージで

お水もちゃんと引っ掛けてあって、

その隣にはスナックが入っているカゴがあった。

床にはふわふわの毛布も敷いてある。

 

そういえばお母さんが、

「トワちゃん、ファーストクラスを予約したよ」

、て言ってた。

 

空の旅は快適だったけど、

ガタガタと揺れて全然眠れなかった。

 

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成田空港にお父さんがお迎えに来てた。

疲れと眠さで駆け寄って飛びつく元気すらなかった。

でも、とっても嬉しかった!!

 

お父さんのお友達の運転で出発した。

これからどこへ行くんだろう?

 

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つづく

二回目の一人旅ー33章

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私のフライトスケジュールがやっと決まった。

 

朝のピックアップの予定が、

フライトの都合で夜中の3時に変更になった。

 

お母さんは寝過ごさないように、

心配で3時まで寝ないでいた。

 

「トワちゃん、起きて」

爆睡中の私に優しく声をかけてくれた。

 

なんでこんな夜中に起こされるの?

お母さんの不安そうな顔を見て、

何かが起きるんだと思った。

 

リードを付けられた。

訳も分からずお外に連れ出された。

 

門の前に知らないお兄ちゃんがいた。

6月末のゴールドコーストはもう冬だ。

息が白い。

 

この車に乗ってしまったら、

お母さんとお別れのような気がした。

 

「無理やり乗せないで待ちましょう」

 

お母さんとお兄ちゃんは、

真っ暗で寒いお外でじっと立ち止まっている。

 

「トワちゃん、これに乗ったらお父さんに会えるよ」

 

お母さんは頭をもたげて大きなゲージに入った。

ゲージの中でかがみながら私においでおいでをした。

私は恐る恐るゲージの中に入った。

ゲージにはドアがもう一つあった。

お母さんは反対のドアからお尻を向けて出て行ってしまった。

 

一人ゲージに取り残された私は、

驚いたけどお母さんの安心した顔を見て、

お母さんとはこれでさよならじゃないと分かった。

そして、

お父さんに会うまではいい子でいようと決めた。

 

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つづく